
理事長挨拶
緑の風福祉会は,利用者さんも利用者さんを支援する私たちも,
互いをひとりの人として大切にし互いに大切にされ,
誇りをもって生きることが最も重要なことだと考えます。
もっというと,私たちの家族,友だち,地域の人たちはもちろん,
これまで生きてきた中で出会った,今出会っている,
これから出会うであろうすべての人たちに対しても,
同じような気持ちで接し行動できればいいな,と思っています。

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“違いを大切に”


大切にすることの基本は,
一人ひとりの生き方や考え方を大切にするということにあります。
人は生まれつきの性格やこれまでの体験がみんな違います。
だから,生き方や考え方も違って当たり前です。
時には他の人の考え方に納得できないこともあるでしょう。
だからといって,<わたし>が常に正しく
<あなた>が間違っているとは限りません。
まず違いがあることを認め,そこから始めて,
どこがどのように違うのかを
互いに見つめなおす作業が必要だと思います。
<わたし>が正しいと思っていることをあらためて見直したり,
<わたし>が思いもしなかった<わたし>自身の偏見や思い込み,
知らず知らずのうちに行っていた動き方や態度に気づく,
ということが起きるかもしれません。
あるいは<わたし>も<あなた>も知らなかった新しい景色を,
二人で発見できるかもしれません。
これは違いをどちらか一方に吸収する解決とは違います。
ふたりが違いを大切にすることによって成し遂げた,
新たな発見であり発明でさえあるでしょう。
利用者さんの中には,
自分の感じていることを言葉で表現することが難しい方もいます。
しかし,思いを伝える手段は言葉だけではありません。
表情であったり動きであったりするでしょう。
むしろ言葉は,時に嘘を作り出す道具にもなることがあります。
それに比べて表情や動きのほうが,はるかに本当の思いを伝えることができます。
100個の決まりきった美辞麗句よりも,ひとしずくの涙です。
思いを伝える手段にも一人ひとり違いがあります。
一人ひとり大切にするということには,
この違いに思いをはせることも含まれています。
様々な場面で<あなた>の思いに心を傾け,
<あなた>に思いを伝えようと試みる作業を通して,
利用者さんも支援する私たちも,共に成長することができるよう願っています。

理事長 大熊 保彦